絆
あたしはこの学校の保険医。
そして今、目の前で悔しそうにしているヤツは、2-D佐倉篤志。
授業をサボっては女生徒を誘って、校内の人気のない場所で楽しんでいる。
まるで、発情期のオス犬。
ヤツが言う。
「またあんたかよ…」
「毎回毎回、懲りない男ね…
学校を使わなければいいでしょう?
それが一番賢い選択だと思わない?」
こういう言い方をすれば、単細胞なこのオス犬は、プライドをかけてこの校内であたしに見つからない場所を探すだろう。