『わたしの夢は専業主婦になることなの。


夫と子どもに囲まれて、毎日家族のためにご飯を作って掃除して……


わたしは家族のために生きてるんだって実感したい。』




あれは、わたし。


わたしの夢だった。


忘れていた。



安定した毎日、それはわたしが望んでいたものだった。


何よりもその幸せを、忘れてしまっていた。




「ありがとう、二人とも。」



そっと、幸せをかみ締めて、笑顔を返した。


< 6 / 85 >

この作品をシェア

pagetop