弔いの詩


あなたに伝えられない想いがある。


伝えたい想いがここに…




私はもう、大人になってしまった。


あなたと出会ったとき、私はまだ中学生だったのに。




あの頃…


9コも年上のあなたは、あなたの生き方は、まぶしくて、大きくて…



私には背中しか見えなかった。




今しかない、そういう覚悟を背負うのに、独りはあまりに淋しいけど。


私には、二人はもっと淋しい気がした。




あの頃は気づけなかったけど、あなたの隣りには、あなたの覚悟を一緒に背負ってくれる人がいたのかもしれない。



強く、あなたを支える人が。





そういう存在になりたかった。


あなたの隣りにいられる人になりたかった。





私にできたのは、ただ泣くことだけだった。


ただ、ただ、あなたの強い歩みを追いかけるだけだった。



手の届かない想いを…


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