遅めの夕食を二人で食べ、洗い物は僕がする。


その間に彼女がシャワーを浴びて、僕がそこに加わる。


二人で湯船に浸かって、お風呂を出てそのままベッドになだれ込む。


朝までセックスをして、抱き合って眠る。


そんな関係が、もう2年半くらい続いていた。




誰かに話せば、常識を疑われるだろう、と自分でも分かっている。


愛のないセックスは悪いもの、というのが世間のルール。


そこから僕らははみ出している。



けれど、愛のない、という言葉に僕は少なからず反発を覚えてもいた。





僕は彼女を愛している。


彼女は僕のよき理解者だった。


痛みも、哀しみも、喜びも、怒りも、全て受け止め合える。


優しくされたいときに優しさをくれ、甘やかしたいときに甘えてくれる。



一緒にいて、奪い合うものが何一つない。


まるで空気のように、それは一つの空間に存在している。




誰より、幸せでいて欲しい人間であり、もう一人の自分だ。


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