絆
床に座り込んで腕組みをしながら、じりじりと時間は過ぎる。
次第に辺りは暗くなる。
腹が減って、お腹が鳴いても、なすすべもなく。
飢えと寒さで限界が近づいていた。
いよいよ望みはなくなったか。
そう思ったら、年甲斐もなく泣けてきた。
涙はボロボロと頬を伝い、鼻水まで垂れてきた。
こんなところを人に見られたら、やっていけない。
そう思った瞬間、話し声が近づいてきた。
「誰かいるのか?」
「大丈夫か?」
嘘だろ?
さっきまで誰も通る気配もなかったくせに。
「大丈夫です!」
言ってしまってから、しまった、と思う。
話し声が遠のいてしまう。
窓から覗くと、首をひねりながら、おっさん達が歩いていく後姿が見えた。
恥も外聞も捨てて、俺は叫んだ。
「助けてください~!!」