絆
不満げな午後
「このあとどうする?」
「……うーん」
質問に答えるのが面倒くさくなって。
あたしは黙り込む。
彼もちょっとダルそうに、テーブルに肘を乗せる。
彼と待ち合わせをする。
朝の弱い2人は、いつもこの微妙な時間に会って、そして今日のデートコースを決める。
選択肢は多くない。
それでも、2人にはなかなか決められない。
「映画は?」
「今観たいのやってないし…」
ふうっとため息をついて、グラスにささったストローをいじる。
「じゃカラオケでも行く?」
「こないだ行ったし…」
「でも、他に行きたいとこもないんでしょ?」
あたしの顔を見て苦笑する彼に拗ねたフリを返して、テーブルに突っ伏す。
「どうしよっかね……」
ポンポンと頭を叩かれて顔を上げると、つまらなそうに彼が欠伸をした。
「とりあえず出ようか。ここにいてもしょうがないし…」