夏休みの勉強は『運命の出会い』
特に三女の恵美は初めてのデートになるのだ、告白を抜きにしも楽しみではないのか。
「恵美ー?なにむくれてるの?」
末っ子は甘えん坊なので柔らかく話せばすぐに本音を漏らす。
私の思った通り、恵美は今にも泣き出しそうな顔で口を開いた。
「わたしっ平井くんを騙してるわ!!」
予想外の本音に驚いたが、先を促した。
「だって!わたしわざと図書館に行った!わざと話し掛けた!わざとわざとわざとばっかり!!
平井くんを騙してるわ!!嫌な女だわ!!」
「……っアタシも!」「私も!」
恵美に便乗する2人の姉。
あらあら、私の子育ては成功ね。
とっても素直な子なんだもの。
「じゃあこのお話を聞いて?」