夏休みの勉強は『運命の出会い』
いよいよ花火大会という日。
A子は浴衣をこっそり買ってお店に行ったわ。
店長さんに店員さんの売上になるようお願いもしてね。
「お仕事のあと花火大会に行きませんか?」
……
ぼんやり顔の娘たちに、
「どうなったと思う?」と尋ねれば、分からないと言う。
ああ、まったく。
「お父さんとお母さんの話じゃないの」
にっこりと微笑んでやった。
懐かしいわね、今目の前にいる子供たちは何十年も前の自分だもの―――
恋に夢見るお姫様。