夏休みの勉強は『運命の出会い』

いよいよ花火大会という日。

A子は浴衣をこっそり買ってお店に行ったわ。

店長さんに店員さんの売上になるようお願いもしてね。


「お仕事のあと花火大会に行きませんか?」


……


ぼんやり顔の娘たちに、

「どうなったと思う?」と尋ねれば、分からないと言う。


ああ、まったく。

「お父さんとお母さんの話じゃないの」


にっこりと微笑んでやった。
懐かしいわね、今目の前にいる子供たちは何十年も前の自分だもの―――


恋に夢見るお姫様。




< 106 / 128 >

この作品をシェア

pagetop