夏休みの勉強は『運命の出会い』
「運命じゃない。お母さんが呉服屋に行こうと決めたのも運命だし、
わざと制服着たのも運命、なにもかも運命。
気付いたら運命ね、私はお父さんを好きになったのも運命。
自然なんかないのよ、いつも選択して生きているんだもの、それは運命。
情けないわね、お母さんの娘なのに知らないの?
運命って便利な言葉よ。運命運命、なんでも片付けれるわ」
「お母さんって…」
「オカン…て…」
「ママって…」
怖い、そう口を揃える娘に失笑するしかない。
「私は“出会って”からずっとお父さんが好きよ?」