夏休みの勉強は『運命の出会い』
特に三女の恵美は初めての恋になるのだ、告白を抜きにしも楽しみではないのか。
「恵美ー?なにがあった?」
末っ子は甘えん坊なので柔らかく話せばすぐに本音を漏らす。
ワタシの思った通り、恵美は今にも泣き出しそうな顔で口を開いた。
「パパっ騙されてたのよ!!」
予想外の言葉に驚いたが、先を促した。
「だって!ママってばわざとパパのお店に通ったのよ!わざと話し掛けた!わざとわざとわざとばっかり!!
パパは騙されてるわ!!かわいそうな男だわ!!」
「……っオトー!」「お父さん!」
恵美に便乗する2人の姉。
おやおや、ワタシの子育ては成功だ。
ここまで素直な子とは。
「じゃあこのお話を聞いてくれるか?」