夏休みの勉強は『運命の出会い』

店先でいつも呼び込みはしていた。放課後たまに見かける女子高生をなんとなく可愛いなと思いながら。夏休みだ。

たまたま街を歩いてる彼女をAは呼び込みをした。“あなたには着物が似合う”と。


Aはとことん着物について知識を披露した。

彼女が着物に興味がないのは見てとれた。ただ彼女があまりに綺麗だから、そばに居たくてカタログ片手に話した。


仲良くなった、とことん通うように誘導したから。

買うつもりのない彼女にAはきちんと着付けをして接客した。


和服の似合う彼女をますます好きになった。

知っていくうちにもう虜になった。


そうして名前を覚えてもらって親しくなって―――




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