夏休みの勉強は『運命の出会い』

そんな訳だからアタシ、チラシ配りに慣れた今日も黙々とチラシ配りしてた。

フレンドリーな職場だからほとんど全員と番号交換してるのはオカンに秘密だよ。


どうせ今日もただの労働だったねって、お姉たちに笑われるんだろうな。

ため息混じりに今日何十回めかの「どうぞー」を声にした。


休憩時間。暑くてベタベタだし、化粧落ちるし頭皮から汗かくから髪の毛湿ってるし、だるい。

働きだして何も変化なかったわ。ただ仲良くなっただけ。


オカンに遊ばれてるのかも、オカンはもう50歳だから暇潰しにからかわれてるのかも。

そんなことを考えていたけど、ごめんなさいって思っちゃった。


だって扉から現れた人―――

――――運命の王子様を見つけた!!






< 42 / 128 >

この作品をシェア

pagetop