夏休みの勉強は『運命の出会い』
吉野徹は短期の掛け持ちで辞めたみたい。ラッキーラッキー、吉野徹のお陰で彼が入ってきたんだもん。
看板とチラシのカゴを持って商店街の定位置まで歩く。
どんな顔してるのかもっと近くで見たくて、アタシ少し横目で見た。
香水のほのかなかけ具合とか、チェーンのネックレスとか、つけっぱなしのピアスの感じとか、
いちいち男らしい!!
手の骨の感じが同級生ともオトーとも違う。ちょっと猫背になってる感じがいい。
どうしよう!!すっごくすっごくドキドキしてる!!
気付いたらアタシ、「町田紗絵、高2、みんなみたいにサエサエって呼んでね」なんてどもりながら自己紹介してた。