オレと私の(仮)
プロローグ



朝の満員電車の中
一人の少女が顔を赤くして、肩を震わせていた。

かたかたと体がふるえ、ぎゅっと拳を握る

その後ろで小さく笑う男が手で尻を撫でる。そして、少女に呟く



「・・・キモチイイ?」


びくりと少女の肩が震える



「・・・・け・・・・」

「なに?聞こえない?」

「気持ち悪いに決まってんだろボケがァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」


ドグシャッ
思いっきり男を殴りつける


ちなみに、今は満員電車
めちゃくちゃ周りが迷惑そうな顔、というより、痴漢した男に哀れみの目を送る


「テメー、誰が女だぁ?!オレは男だ!!!この腐れインポ野朗!!!!!」

「っ!!!誤解ッだ」

「あ゛ぁぁぁぁぁん?聞こえねぇなっっ!!!!」

「ガハァッ」


痴漢した男は色々間違った。
一つは女の子と間違って男に痴漢したこと
もう一つは、それが女の子の隣にいた見るからにヤンキーなことだ。

耳にはピアスに腰パン。髪は黒いけど、赤いメッシュが入っている
ちなみに美形

そうとう痴漢されたのが腹立ったのか、美形ヤンキーは電車が次の駅に止まるまで男を殴りつけた
そりゃそうだ
女と間違って痴漢されたんだもの、しょうがない


その隣で、男が痴漢してると思っていた少女がいまだ顔を赤くして肩を震わせている

少女とヤンキー
この二人の奇妙な出会い

なんのへんてつもない平日7時の車内。
物語はここから始まった―――







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