年下の王様
お揃いってわけじゃねぇんだけど…。



「俺が生まれた時、スゲー難産だったらしくてさ。母ちゃんの意識とかなくなって。3日くらいヤバかったんだって」

「それが関係あるの!?」

「そん時に、俺の叔父さんがお守り変わりに作ったヤツだから。父ちゃんも同じのしてる」

「そうなんだ…。なんかすごいね、理事長の家族って。でも遊吾君は?」

「遊のも一応作ってあるみたいだけど見たことねぇ。俺も中学に入学した時にもらったし」



だからこれが家宝だって教えられた。



これだけは大事にしろって。



俺の誕生日が裏に掘ってあるし。



俺も子供が生まれたら記念になるようなものを残したい。



「幸せな家庭だったんだね、斗和」

「陽菜こそ大事にされて育っただろ。そんな感じする」

「大事にされてたのかなぁ?お母さん、すっごい派手だからね。お父さんは家にあんまりいないし」

「なんで?」

「カメラマンなの。今どこの国にいるかわかんないかなぁ」



意外だな…。



< 101 / 549 >

この作品をシェア

pagetop