年下の王様
次の日、もちろん遊吾が先に起きた。



勝手にクローゼット開けてなんかやってる…。



「探し物は見つかったか~?」

「いない!!カブトムシ…」

「はぁ!?まさか逃げたのかよ!!俺の部屋にはいねぇだろ~」

「兄ちゃん、カブトムシどこ?」



朝から遊吾のペット、カブトムシ君を捜索。



玄関にあった父ちゃんの靴の中で息絶えてる…。



「死んじゃったんだと思う…」

「死んじゃったら動かなくなる。金魚みたいに」

「うん、だからバイバイして埋めてやろうな?」

「穴掘ろ?」



カブトムシの墓を作ってから学校へ…。



成仏してくれ、カブ。



金魚も最近死んだからな…。



生き物が好きな遊吾は寂しいかも…。



よし、兄ちゃんが新しくペットを増やしてやるからな!!



「陽太、今日ヒマなら生き物探しに行かね?」

「斗和が少年みたいなこと言ってる~!!超カワイイ!!」

「ユリカは黙れ」



だって遊吾のためだし…。



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