年下の王様
マナーにした携帯をポケットにしまって知らん顔。



また鳴った携帯は父ちゃんからだった。



これは出なきゃまずい。



陽菜といると思われたら困るから。



「はい」

「どこいんだ?カラオケか?」

「陽太とクラスのヤツと来た。たぶん今日帰んねぇから」

「明日学校だろ」

「明け方か陽太んとこか家に帰る。約束は守ってるので…」

「ちゃんと信用してるから大丈夫だ。悪いことすんなよ」



父ちゃんは理解がある方だと思う。



母ちゃんは何も言わない。



だからそこまでグレもしないし、反発する気にもなれない。



俺っていいコだな~…。



なんて思いながら戻った部屋。



ユリカが今の電話を超気にしてるっぽい…。



「彼女から?」

「ちげぇよ。理事長さん」

「パパ?な~んだ」



悪い、陽菜。



時間見て電話するから。



メールより電話の方がいいよな?



< 122 / 549 >

この作品をシェア

pagetop