年下の王様
俺は陽菜から好かれるだけでいいのに…。



なんて思いながら今日もバイトに励む。



バイト中に携帯が鳴るのがいちばん厄介…。



陽菜からの夜の電話はあんまり出れないから…。



帰るのはいつも夜。



疲れた…。



陽菜に電話しよう。



「ふぁい…」

「さっき気づかなかった。もう寝てたのかよ」

「だって疲れてるんだもん…。頭痛いし…」

「悪かったな。寝ていいぞ」

「斗和の声聞きたかったからよかった…。オヤスミ…」



頑張りすぎて疲れてんじゃねぇか?



癒してやりてぇとか思ったり…。



「斗和、帰ったの?」

「あっ、ただいま」

「バイト順調みたいだね。噂は店長から聞いてるよ~。うちに欲しくなっちゃう」

「は?」

「斗和は先生になるんだもんね~…。やっぱりあたしの仕事はヤダよね~…」



なんだそれ!?



母ちゃん、まさか俺が欲しい?



でも父ちゃんの後継ぎだし…。



考えもしなかった…。



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