年下の王様
負けたくない
【陽菜】



2つとひとつの机を向かい合わせて初めての三者面談。



ドキドキしながら就職の話しとか成績の話しをしてる。



生徒の親って怖いです…。



斗和は理事長の都合でちいばん最後。



今日はあたしと斗和の関係を知ってる片桐 陽太君の面談があります。



「片桐君はなにかなりたいものあるの?」

「俺は金持ちかな~」

「真剣に!!」



メガネをかけてる片桐君のお母さんは『教育ママ』って感じ。



斗和の話しによれば片桐君は家を出てるらしい…。



「なりたいモノなんてそのうち探すから」

「じゃあ成績だけ上げようか」

「だね~」



片桐君は将来のことなんて全く考えてないみたい。



確か立派な両親だったはず…。



「あっ、なりたくないモノならある」

「なに?」

「愛人にガキ産ませる政治家」



まず絶句だよね…。



それってたぶん親のことなんじゃないかと…。



「陽太には期待してません。好きになさい」

「言われなくてもそうする」

「時間が勿体ないので失礼します」



ちょっと待って…。



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