年下の王様
なんだか切なくなった。



みんなそれぞれ悩みとかあるんだなって思うと…。



「お疲れですね」

「秘密って疲れますよね…」

「なにか秘密にしてるんですか?」

「み、南田先生に秘密ってあります!?」

「ありますよ。誰にも言えないような」



やっぱりみんな、そんなもんか…。



真面目な南田先生にも秘密があるみたいだし…。



なんなのか気になるけど。



斗和も最近秘密主義者だしさ…。



バイトのこと、片桐君に聞けばよかったかな…。



やっぱりモヤモヤが晴れないまま、斗和との約束の日。



珍しくあたしが学校から帰る前に斗和がいた。



「早いね」

「遊吾、エミリーに任せて来たから」

「会いたかった…」

「なんだよ」



会いたかったんだもん…。



たまには甘えたいし…。



「風邪は?」

「治ったよ。薬飲んですぐ!!」

「なら遠慮いらねぇな」

「わっ!!」

「いただきます」



もう!?



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