年下の王様
どことなくぎこちない陽菜に手を出す気にはならなかった。



誕生日プレゼントのピアスもあげてない…。



0時を回った時、ベッドの中の陽菜は23歳になった。



『おめでとう』



その一言が出なくて…。



逆に攻めてしまいそうになる…。



自分がそんなに小さい男だったことを初めて知った…。



「陽菜?」

「ん?」

「寝ないわけで?」

「なんだか…ちょっと…」

「なぁ、俺のこと好き?」

「大好きだよ!!」

「お前揺れてる?」

「揺れてない…。揺れてはいない…」



じゃあなに?



口数が少ないわけは?



俺といんのに全然楽しそうじゃねぇ…。



意識はアイツのとこにある気がする…。



強く抱きしめたら折れてしまいそうな体をギュッと抱きしめた。



捨てないで…陽菜…。



「大好きだよ…斗和…」

「ん…」



強く握られてるパジャマ代わりのトレーナー…。



俺も好きだ。



だけど…不安でどうにかなりそう…。



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