年下の王様
いつの間にかお互い眠ってて、目が覚めた時には陽菜もスヤスヤ寝てた。



握られてる俺の親指…。



陽菜が寝る時に必ず手を繋ぐから…。



朝起きると親指を握ってる陽菜の小さい手を俺が包んでる…。



離したくないんだからな…。



俺の陽菜だ…。



起き上がって冷蔵庫の中の水を飲んだ。



寝酒でもしたのかビールの缶がキッチンのシンクの上に乗ってる…。



どんなヤツだったんだろう…。



あの英希ってヤツ。



顔はかなりカッコよかった。



背は俺より低いけどスラッとしてる。



自信満々で嫌味な男…。



「斗和…」

「あっ、まだ寝てていいぞ」

「英希のこと話す…」

「別に気にしてねぇよ」

「してるもん…。だから聞いて?」



陽菜から聞いたのは聞きたくもない元カレの話し…。



4年付き合ったんだとさ。



同じ大学にいたらしいけど元カレが勝手にやめたんだって。



家が金持ちで、高校時代にグレてた元カレを更正させようとしたとか…。



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