年下の王様
もう会いたくなかった。



英希に縛られたくない。



「真面目になったからさ」

「口先だけでウソばっかり。昔と変わってないね」

「マジだって。じゃあ陽菜はいい?アイツがどうにかなっても」



アイツって斗和のこと…?



あたしがいちばん怖いこと…。



「彼とは…なんでもないから。大学の後輩なだけ」

「ただの後輩に合い鍵渡すんだ」

「借りてたものがあって…返そうとしたけど…じ、時間が合わなかったから」

「ウソなんてどこで覚えた?そんなふうに育てたっけ?」

「もういいじゃん!!帰ってよ!!」

「帰んねぇよ」



どうしようか迷った揚げ句、アパートじゃなくファミレスに行くことにした。



きっと誰かいれば安全だ…。



向きを変えて歩きだした時に掴まれた腕。



「なにもしねぇから置いてよ」

「ヤダ…。離して!!」

「陽菜がそんな態度とるのは今の男に問題アリなんだな」

「関係ないっ!!あたしは英希が嫌いなの!!」



大嫌いっ…。



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