年下の王様
【斗和】



無理矢理保健室に連れてこられた…。



陽太のヤロー…。



力いっぱい殴りやがった。



明日の昼メシ奢らせなきゃ気がすまねぇからな。



「仲良しなのになんでケンカなんかするの?」

「ケンカじゃねぇし。じゃれ合いっつーんだ」

「普通、じゃれててこんな傷できないからね?」



運悪く保健の先生がいなかったため、俺は恐怖の手当てをされるらしい…。



大丈夫なのかよ…。



超あたふたしてんだけど…。



「コレ…かな?」

「俺に聞くなよ…」

「あっ、こっちか!!」

「やんなくていいから。こんなの舐めときゃ治る傷」

「ダメだよ。キレイな顔なのに跡が残ったら勿体ないじゃん」



へぇ~、キレイな顔だと思ってんのか。



教師のくせにそんなこと言っちゃうんだ。



「いてぇよ!!」

「ご、ごめん!!優しくしてるんだけど…」

「自分でやる!!」



とことん頭に来る。



なにもできねぇなら率先してやろうとすんなよ。



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