年下の王様
辛い、キツイ、苦しい…。



それしか頭にない…。



千奈美と約束した後夜祭…。



気分が重くて帰ろうとした。



「具合悪いの大丈夫?」

「平気だから」

「保健室行こう?」



『電話するから』そう言って帰った。



もう学校に行くのもキツい…。



陽菜がそばにいないだけなのに…。



「おかえり兄ちゃん!!」

「うん、もうメシ食ったか?」

「今日はチャーハンだった!!エミリーどこ?」

「まだ帰って来ないかも。俺部屋に行くから」

「ユーゴも行く」

「遊吾は母ちゃんと風呂入れ」



一人になりたい…。



誰にも話しかけてほしくない…。



もうイヤだ…。



部屋に入ってベッドに横になった。



陽菜の姿、あんまり見なかったな…。



アイツはちゃんと元気にやってんのかな…。



あの英希ってヤツと…。



考えるだけで切ない…。



苦しくて…泣きたくなる…。



学校で元気な陽菜を見る度に腹が立つ…。



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