年下の王様
ガシャーンと割れた斗和にあげたカップ…。



英希が投げたから…。



破片が飛び散って英希の顔に傷を作った…。



「陽菜のこと苦しめてんの?俺のこと捨てんの?」

「英希は変わらない…。あたしが好きだったのは無邪気だった時の英希だよ。今の英希は最低…」

「なんで誰も愛してくんねぇの?」

「英希が愛されようとしないからだよ!!もっと真面目になりなよ!!あたしに依存しないで自立してよ!!」



もう全て終わらせてやる…。



あたしなんかどうなったっていいから。



「あたしは英希と離れたい。もし、それができないなら…生きてたくない…」

「そんなに嫌いかよ…」

「嫌いじゃない!!真面目になってもらいたかっただけ!!汚いやり方しないで正面からぶつかってよ!!」

「もういい。もう…いい…。陽菜…一緒に死んで?」

「いいよ。英希が望むなら。それで英希が幸せなら」



初めて英希の涙を見た。



助けてあげられなくて…ごめん…。



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