年下の王様
その日、久しぶりに陽菜の部屋にやって来た。



誕生日にもらったカップがなくなってる…。



捨てられたりした?



陽菜が帰って来るまで、ずっと携帯を見つめてた。



千奈美になんて言えばいいか…。



別れよう?



そんな単純なことでいいのかって…。



「斗和…」

「おかえり、陽菜…」



携帯を閉じて帰って来た陽菜を抱きしめた。



明日は学校。



だけどもう離れたくない…。



「斗和の携帯鳴ってる」

「出ないからいい…」

「高梨さんなんじゃ…」

「出れねぇよ、こんな状況で…」



一緒に罪を背負ってくれ…。



傷付けた千奈美のことも…。



一緒に償ってくれる?



「陽菜、俺はケジメをちゃんとつける」

「うんっ…」

「陽菜もそれなりの覚悟がある?」

「斗和といれないなら学校やめる…」

「わかった。好き、陽菜…」



頭がボーッとなった。



陽菜の涙ばっかり印象的で…。



もう絶対離さないから…。



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