年下の王様
次の日は視聴覚室に千奈美を呼び出した。



最近は浮かない顔しか見てない…。



「千奈美を好きになれなかった…」

「元カノと戻れたの?じゃああたしは用無しだね」

「ごめん…」

「ううん、斗和君と付き合えて夢みたいだったし!!気持ちがないのもわかってたから…」



千奈美は笑う…。



痛いくらいの笑顔で…。



俺は千奈美をすげぇ傷付けたんだ…。



「相手、陽菜なんだ。担任の」

「えっ…?なんで…言うの?」

「バラしたいならバラしていい。それくらいしなきゃ千奈美を傷付けた俺の気が済まない」

「卑怯だよ!!斗和君のお父さん…理事長だもん!!」

「陽菜をやめさせるのも千奈美次第。俺を退学にしたっていい。父ちゃんは関係ねぇから。教頭に言えば問題になる」

「言えるわけないっ…。斗和君のこと好きなのに…。苦しめるようなことなんかできないよ…」



なんで見てやんなかったのかな、こういうとこ…。



こんなに性格いいのに…。



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