年下の王様
初めてふたりで外に出た。



手を繋いで電車に乗ってみる。



「空いててよかったな…」

「電車久しぶり」

「本当は乗りたくねぇけど…」

「なんで!?」

「だって痴漢に合うだろ」

「お…男なのに?」



お前は盛ったOLの恐さを知らねぇんだ…。



中学の時はマジで電車恐怖症になるかと思うくらい毎日触られ…。



「び、美少年だから…触りたくなっちゃうんだよ!!仕方ないっ!!」

「耳元で『おいしそう』って言われたことあんのか!!内ポケに知らないケー番入ってたり!!」

「ナイです…」



だから電車は嫌いだ。



マジで空いててよかった…。



そしてしばらく、少し離れた街へやって来た。



ここなら通ってるヤツはいないハズだからな。



「雑貨屋とかがいい?」

「うん、カワイイお皿欲しい!!」



2枚ずつ買ったり?



やべぇ…新婚気分の俺がいるっ!!



完璧に陽菜に汚染されとりますわ…。



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