年下の王様
まぁあの野獣がかなり我慢したとは思う。



だからいいかなぁ~、なんて思ったりして。



あたしもお風呂に入って久しぶりの甘い時間…。



甘い?



ピンポーンって鳴ったけど…。



「出んなよ」

「ダメだよ、電気着いてるから居留守バレバレ」

「3秒で追い返して来る」



そう言った斗和が玄関の覗き穴を見てから振り返った。



なに…?



まさか英希じゃ…。



ドクドクと脈打つ心臓…。



「陽菜、デカイ荷物抱えた男がいる…」

「えっ…?」

「元カレ2号か!?」



2号ってことは彼ではないらしい。



その他に元カレなんて数に入らないようなコだし…。



あたしも覗いてみた。



「はっ!!お兄ちゃんっ!!」

「兄貴!?」



なんでお兄がいるの!?



慌てて開けた玄関のドア。



久しぶりに見る兄の顔。



「宿探し中~」

「さようなら」

「ちょっ…頼む陽菜!!」



このバカ兄~!!



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