年下の王様
冬休みも終わっちゃうっていうのにぃ~…。



今度はどんなことでしょ…。



「別れちゃってさ、沙織と」

「お兄ちゃんを理解してくれるのなんか沙織さんくらいなのに!!」

「家見つかるまででいいから置いて?」

「実家に行きなよ~…」

「だって職場から遠いからさ。ん!?のぁっ!?スーパーイケメン…」



こう見えて、お兄ちゃんはしっかり者。



25歳にして一流企業の部長に抜擢されたやり手。



将来は重役が決まってるようなもんだとか…。



「初めまして、私こういう者です」

「あっ、俺…斗和っていいます。宮 斗和です」

「陽菜にはもったいないくらいの容姿で恐縮してしまうよ、アハハハハッ!!」



笑ってんじゃないっての。



今から斗和と甘い時間だったのにぃ~!!



「同棲してた彼女に捨てられちゃったよ。仕事ばっかりしてるからって」

「陽菜の父ちゃんに似ててかっけーのに」

「人間、顔じゃないってことだよ。飲もうか、ブラザー」

「いいっスね」



よくないってば!!



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