年下の王様
だけどお昼過ぎに斗和とふたりで外に出るのは勇気がいる。



近くのレンタカー屋さんまでは結構な距離…。



「斗和は待ってて?あたしが借りてくるから」

「一緒に行くって」

「今バレるのがいちばん怖い…」

「…………わかった。着いたら電話しろな?」



あたしってなんで教師なんだろ…。



他の仕事に着けてたら斗和との関係だって隠す必要ないのに…。



「陽菜!!」

「ん?」

「いってらっしゃい」



ぬぁっ!?



な、なんか…照れる…。



「行ってきますは?」

「行って…きます…」



初めて行ってらっしゃいのチューを経験しました…。



調子狂うじゃん!!



へこんでてたくさん考えちゃうのにそれをぶち壊すような斗和…。



なんかあたしって子供みたい…。



斗和に元気をもらってる…。



とことんダメなあたし…。



せめて斗和といれる時くらい笑ってなきゃね!!



よし、楽しむっ!!



< 309 / 549 >

この作品をシェア

pagetop