年下の王様
その日の夜、宮君からメールが来た。



今度は番号だ…。



これって電話していいんだよね!?



ドキドキしながら押した発信ボタン。



「おぅ」

「ひ、陽菜です…」

「わかってる。家にいんの?」

「あっ、うん…」



なんだか久しぶりに味わうドキドキで緊張しちゃう~!!



しかもいい声だよ…。



溶けちゃいそ…。



「家、どの辺?ってか一人暮らしだよな?」

「うん、D大学の近くなんだけど…」

「あっそう。明日夕方くらいに電話する。じゃあな」

「えっ!?ちょっと…待って?」

「なに?」

「それだけ?」

「他に用件なんかねぇだろ。じゃあな」



プツッと…。



やっぱり宮君って余裕だ…。



今までも好きになられるばっかりの恋愛だったんだろうな…。



でもあたしのことも好きなんだよね?



愛情が感じられないけど…。



だけどもう遅い。



手遅れだよ…。



あたしが本気になっちゃったから。



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