年下の王様
木の匂いがする室内は暖炉まである。



使い方がわからない斗和はガスストーブに頼ってます。



「川の音が聞こえる…」

「裏が川だから。懐かしいなぁ」

「久しぶりなの?」

「最後に来たのは中学ん時。陽太も連れて来たっけ」



やっぱり斗和には感づかれてるんだと思う。



あたしの今の現状。



それを口に出さないのはきっと斗和なりの優しさ…。



「食材ねぇから買い出し行くか」

「デートだね」

「だな。来た道戻ったとこにスーパーあったよな?」

「早く行っちゃおう!!引きこもりたい!!」



ストーブを消して財布を持った。



お泊まりの準備なんかしてなくて。



スーパーの服売り場で上下セット980円の下着を購入。



「斗和のパンツ高い!!」

「1500円じゃん…」

「パンツならなんでもいいじゃん!!」

「ムリ。白ブリーフなんか履けるかボケ」



歯ブラシも洗顔フォームも買いました!!



あたし、今すっごく楽しいよ…。



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