年下の王様
亘先生は軽いらしい。



背が低くて、髪が長い。



こう見えて体育教師。



全く体育会系に見えないんだよね…。



「ごめんなさい、メールはあんまりしないから…」

「それって逃げてます?」

「ち、違いますよ!!本当にしないんです!!」

「ふぅ~ん、声聞きたくなっちゃう派か」

「そ、そうなんです!!」

「3年の宮君の」



は…………?



今…なんて?



「なに言ってるんです?」

「わかったんスよね。よく北川センセーの部屋に来てるイケメン彼氏の正体が」

「ちょっ…な、なに…」

「向かいのマンションに住んでる亘ってもんです。何度もコンビニで会ってるんですけど。気づきませんよね?」



はっ!!



近所のコンビニでバイトしてた金髪のっ…。



黒髪だから気づかなかった…。



向かいのマンションだったなんて…。



どう…しよう…。



「人違いです。生徒と恋愛関係にあるわけないでしょ?」

「純情ぶって、やることは大胆なんスね。じゃ、先に職員室戻りますから」



ものすごく…ヤバい。



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