年下の王様
だけど結局、亘 清人という男の素性はたいしたことがなかった。



もうムリだ…。



弱みなんかねぇよアイツ…。



学校でたまに見かける亘の姿。



あっちから声をかけて来るわけでもなく、やる気なさそうな顔しててやたらムカつく…。



だけど男からの人気は高く、チャラいから話しもしやすいらしい。



さすがに俺から近づいたら、陽菜との関係を肯定してることになるから…。



すっげぇモヤモヤする。



陽菜と会えないから余計イライラする。



亘はどう出てくんだよ。



だけど俺は別れねぇぞ。



なにがあっても別れねぇから。



「あっ、斗和君だ」

「千奈美…。久しぶり」

「浮かない顔だね。なにかあった?あっ、別れたとか!?」



クラスが離れてから顔も見てなかった千奈美に廊下で声をかけられた。



浮かない顔してんのか…。



「ぶっちゃけバレたんだよな~」

「えっ!?陽菜ちゃっ!!大きい声出してごめん…」

「もうムリなんかなぁ~…」



なに元カノに愚痴ってんだ俺は…。



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