年下の王様
冷蔵庫にあった卵でオムライスを作る。



会話がない…。



きっと陽菜もなにを話したらいいのかわかってないんだと思う…。



「殻…入れんなよ…」

「卵くらいちゃんと割れるもん…」

「火傷すんなよ…」

「大丈夫だよ…」

「皿割ったり…ケガしたり…。お前って見てて危ねぇから…」



代わりにメシ作ってやれねぇんだぞ…。



指切った時の手当ても…。



しばらくなにもしてやれねぇ…。



だから…ケガなんかすんじゃねぇぞ…。



「斗和こそ…ちゃんと勉強するんだよ?」

「言われなくても大学くらい受かるし…」

「お店も頑張ってね?」

「売りまくってやるよ…」

「女のコ…ナンパしたりしないでね…?」

「しねぇから…。そんなもんするヒマなく勉強してやるよ。ちゃんと頑張るから…お前もしっかり学んで来いな?」

「斗和っ…」



行くと決めてから涙を見せなかった陽菜が泣いてる…。



やべっ…。



もらい泣きしそうだ…。



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