年下の王様
この小さな体でどれ程のモノを抱えてたんだろう…。



全部分け合えたらいいのに…。



俺にもなんかさせろよ…。



自分ばっかり大人ぶりやがって…。



結局陽菜だってこうやって泣くんじゃねぇか…。



「コケんなよ?階段とか気をつけるんだぞ」

「子供じゃないもんっ…」

「俺は守ってやれねぇから…。ちゃんとやれよ?」

「うぅぅっ…」



作りかけのオムライスはそのままにした。



泣いてる陽菜を部屋に連れて行き、ベッドに座らせて涙を拭いてやる。



真っ赤な目と真っ赤な鼻…。



ガキみてぇ…。



「危ない場所には近づかないこと」

「うんっ」

「毎日メールな?」

「する…」

「お互い…気持ち、フラつかねぇように…」

「わかってる…。斗和…好き…大好き…」



ギュッと握られた服。



抱きしめてやると胸に顔を押し付けてわんわん泣いた…。



陽菜の方が絶対キツい。



全く知らない土地に行くんだから…。



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