年下の王様
せめて笑顔で送り出してやんなきゃ。



明日は母ちゃんが空港まで送ってくれるから…。



絶対悲しい顔なんか見せない。



今日も俺は泣いちゃダメだ。



最近涙腺緩くなったらしい…。



「もう泣くな。最後ってわけじゃねぇんだ」

「そうだね…。うん、そうだよね」

「チューしよっか」

「なんで!?なんのタイミング!?」

「1年分溜めとく…。イチャつかなきゃ時間もったいねぇから…」



昼メシそっちのけでキスしまくった。



離れるのはトイレん時くらい。



俺の気持ちは絶対変わんないから。



「斗和?好き?」

「うん」

「どれくらい?」

「陽菜が俺を思ってる以上」

「じゃあ相当だね!!」

「だろ?」



陽菜が腫れぼったい目で笑うんだ…。



この笑顔も、泣き顔も当分お預け…。



そう思うとすっげぇモヤモヤするけど…。



遠距離なんかやってみなきゃわかんねぇしな。



「1年後にはさぞかしいい女になってんだろうな~」

「そ、その期待は…しないでくれる?」



今は笑ってよう。



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