年下の王様
アメリカの病院なんて行ったこともなかったから怖くて行けなかった。



次の日には熱が出はじめて…。



3日目に人生で初めて倒れた。



たしか授業中で、壁際に立ってた時…。



フラッとしてそのまま…。



目が覚めた時、自分の部屋にいた。



ボヤッとする頭を動かして、時間をかけて状況を理解する。



「あっ、やっと起きた…」



聞き慣れない低い声の日本語…。



キッチンに目を向けると見覚えのある人がいた。



慌ててガバッと起き上がると、またクラッとする。



「ムリしたんだって?」

「り、理事長…」

「斗和が知ったらキレるぞ…」



理事長が来てくれてたみたい…。



なんだか懐かしくて泣けて来るなぁ…。



斗和に似てるから余計に…。



「なんであんなになるまでほっといた?」

「迷惑…かけたくなくて…。ごめんなさい…」

「ちなみに3日、寝通しだったから」



3日!?



ウソっ!?



3日ってことは斗和からのメール3回シカトしてない!?



「ヤダぁぁぁ!!メール返さなきゃ!!」

「まだ寝てなきゃ…」



だって斗和からメールがっ…。



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