年下の王様
仕事、勉強、学校…。



早く1年が過ぎればいい。



慌ただしくバタバタして、さっさと陽菜が帰ってくればいいんだ。



そんな状態のまま1週間。



「ただいま…」

「おかえり。お前、なんか顔…青くね?」

「メシ食ったから風呂入って勉強する」

「大丈夫か?ムリしてんならちゃんと気ぃ抜けよ?」

「抜いたら終わる。受かんなきゃなんねぇから…だから…早くっ…」



あれ?



視界が…気持ち悪っ…。



「斗和っ!!」



俺、寝る。



ちょっと休むから…。



軽くな、軽く…。



「あれ?朝だ…」

「最近寝てなかったの?睡眠不足でしょ」

「母ちゃん…。やべっ、学校行かなきゃ」

「ねぇ斗和…。いろいろ押し付けすぎた?将来のこととかお店のこと…。ムリならやめたって…」

「ムリだと思うなら俺はやんねぇよ。平気だから」

「ムリしないでよ…」



頑張んなきゃダメなんだ。



そうしなきゃ…陽菜に会いに行ってしまう。



だから俺はこれからも頑張る。



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