年下の王様
抱っこしてほしい…。



膝の上に座って抱きしめられながらテレビ見るの。



一緒にご飯食べて、温かい布団の中で眠る…。



あたしの頭の中、斗和ばっかり。



好きなのに会えなくて、辛いのに声も聞けない。



会いたい、会いたい、会いたい…。



『学校の生徒に彼氏いるのかって聞かれたの。なんだかすごく寂しくなった…。離れてるって、苦しいね。でも頑張るよ。残り半年、頑張る』



こんなに寂しいなら学校やめて斗和と結婚すればよかったと思ってしまう。



仕事やめてでも斗和のそばにいれたら幸せだったかな…。



誕生日も、クリスマスも、お正月も。



バレンタインだって一緒にいれない。



あたしが自分で選んだ道なのに…。



あたしも斗和も苦しんでる…。



『弱音吐くとね、今更後悔してる。こっちに来たこと…。斗和といれるならなにもいらなかった…。あたしのせいで斗和まで苦しめて…ごめんね…』



こっちの生活が嫌いなわけじゃない。



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