年下の王様
このまま放置してやろうと思った。



帰ろうと向きを変えるとギュ~ッと後ろから抱き着かれて…。



「今日だけ一緒にいて…。そしたら忘れるから!!ちゃんと友達に戻る…」



なんて言われちゃって…。



周りから見れば俺が最悪な男で、弄んて捨てた女に縋り付かれてるような…。



恥ずかしい…。



「わかったから離れろ…」



めんどくさいけどこれで解決できるならいい。



一緒にいるだけでいいんだろ?



近くにあったラブホに入り、無言の部屋で気まずく過ごす…。



「ねぇ、エッチする?」

「しねぇよバカ」

「思い出になるじゃん…」

「傷つくだけだろ」

「もしかして斗和って童貞?ただのヘタレ?」



挑発されてる?



だけど俺はそんな作戦に乗ってやるほどバカじゃねぇの。



めんどうな女とは絶対そんな関係になんない。



「ユリカ、飲み物取って?」

「スルーすんな!!」

「答えればいいの?童貞でもヘタレでもねぇよ。お前がムリなだけ」



はい、泣いた~。



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