年下の王様
日本とアメリカが故郷だと言う辰衣先生は、どっちの国にも住んでいた。



いろんな話し聞かせてくれるから面白いんだ…。



「おいしい?」

「とっても!!常連になっちゃいそう」

「いい食べっぷりだね」



笑い方が上品…。



モテるんだろうな…。



笑った時にできる目尻のシワが優しそう。



「唐突だけど彼はいるの?」

「いますよ!!先生の彼女さんはさぞかしおキレイなんでしょうね~」

「俺はいないから、そういう人。それと先生じゃなくて辰衣でいいって」

「ミスター辰衣?」

「呼び捨てでいいよ。そうか、30手前のオッサンは相手にされないか…」



やっぱりこれってデートじゃないんですか?



早く帰らなきゃ…。



「ハッキリ言うよ。すごくカワイイ、陽菜」



カーッと顔が熱くなったのは、グラス半分しか飲んでないビールのせいじゃない。



斗和以外の人にそんな風に言われた記憶がないから…。



目を見つめられて真顔でカワイイとか…。



誰でも恥ずかしいってば…。



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