年下の王様
そしてやっと、俺は高校生じゃなくなる。



合格発表を1週間後に控え、恥ずかしいながらも父ちゃんから卒業証書を受け取った。



「デカく…なったなお前…」



上段で涙ぐむ父ちゃんにさらに恥ずかしくなったりして…。



陽菜は卒業式にはこれなかった。



来ない方がいい。



もし大学落ちてたらと思うと会いたくない気がして…。



だけど…。



お前が初めて受け持った生徒は、全員無事に卒業できたからな。



この体育館から始まり、ここから陽菜は旅立った。



そして今日、俺もやっと旅立つ。



4月までは秘密にしなければならない俺達の恋…。



後1ヵ月だ。



それまで我慢しよう。



「陽菜ちゃん!!」

「キャァァァ!!みんなおめでと~!!」

「痩せたね陽菜ちゃん!!アメリカから来たの!?」

「本当は仕事で来れない予定だったんだけどね!!全部片付けて帰って来ちゃった!!」



お、おい…コラ…。



なんでいんだよおめぇが!!



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