年下の王様
抱きしめたい衝動を押さえ、ただ動揺する。



華やかな校庭にフラッと現れた陽菜にみんなが集まってる…。



「知ってたのか?帰ってくんの」

「し、知らねぇよ…」

「やけに荷物デカくね?」

「帰って来るのって…今月の半ばだった気がすんだけど…」



まさかマジ帰国か!?



早く抱きしめたい…。



ヤバイ、どうしよう…。



「…………陽菜ちゃ~ん!!写真撮んねぇ!?」

「片桐君!!久しぶりだね~!!み、宮君も…」



陽太が気を回して陽菜を呼んだ。



近づいた陽菜は前よりも髪が延びてて…。



体が勝手に動いてしまいそうだ…。



「最後なんだね、制服姿…」



そう言った陽菜は言葉の出ない俺の曲がったネクタイを直した…。



やめろよ…。



本当に抱きしめたくなる…。



「陽菜ちゃん、斗和と並んで!!俺撮るから!!」

「カワイく撮ってね!!」

「任して~」



隣に並んだ陽菜と密着…。



本当に言葉が出ないっ…。



< 485 / 549 >

この作品をシェア

pagetop