年下の王様
結局、理事長があたしを宮家の嫁にしたいがために息子と付き合わせたってことになった。



あたし…なにも話してないんだけど…。



それに一応馴れ初め的なものは用意してたんだけどなぁ…。



まぁいいか。



職員室でもヒソヒソとあたしの陰口を言われてることに気づいた。



居心地悪いなぁ…。



「陽菜先生、あの宮を落としたんですか?」

「落としっ!?」

「いや~、尊敬しちゃうな。男から見てもカッコイイっスからね。理事長の策略かなんかにハマッたんスか?」



大きな声で皆が聞けないことを聞いて来たのは亘先生。



シーンと静まった職員室で冷や汗タラリ…。



「卒業してんだから気負いすることないっスよ。そうでしょ?」

「そ、そうね…」



他の先生にそう言わせるように仕向けて…。



なんか…亘先生に感謝かもしれない…。



「玉の輿ですね、北川先生」

「あははっ…。でも始まったばかりなので…」

「うらやましいなぁ。あたしもあのコ欲しい~。理事長婦人とかうらやましい~!!」



そんな事を言ってくれた、去年から来た保健の先生にも感謝…。



< 494 / 549 >

この作品をシェア

pagetop