年下の王様
なにも言わずに財布からありったけの現金を出した。



「トシロー君、僕はやっぱり帰ろうと思う」

「は!?なんの金!?」

「これで騒いでくれたら嬉しいよ。じゃあっ!!」

「斗和っ!!」



逃げました。



居酒屋を出てひとりで歩いて帰る…。



昔の俺ってマジ最低ヤロー…。



元カノの名前すら思い出せないなんて…。



好きじゃなかったんだろうな…。



財布の中身が空っぽになっちまった…。



もう最低なヤツには成り下がらないので…。



勉強代だと思います。



次の日、大学に行ったらトシローから257円を帰された。



「昨日の残り」

「コレだけ…」

「斗和の元カノなんて聞いてねぇし…。でもカワイくね?」

「カワイくねぇ…」

「でもお前のお下がりなんかイヤだしなぁ~」



喫煙所で煙を吐き出しながらそう言うトシロー。



彼女いるくせになにやってんだよ…。



「本命泣かせんじゃん…」

「バレねぇよ」



ここにも最低ヤローがいま~す!!



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