年下の王様
教室の後ろでジーッとあたしの授業を見てる斗和になんだか調子が狂う…。



昔を思い出してしまう…。



この教室に斗和がいて、授業中に見つめられるのなんて何年ぶりだろ…。



チラチラ気にしてたあたしに、悪戯に笑った斗和が手元のノートになにかを書き始めた…。



真面目にやってくれてるんだぁとか、感心したあたしがバカ。



みんなが黒板に注目してるのを確認した斗和がノートをあたしに向けた。



『顔赤いけど…。見られて濡れた?』



このアホっ!!



もうヤダ!!



斗和を指導する自信がありませんっ!!



「じゃ、じゃあ5分あげるからこの文を日本語に直してください」

「わかんないとこ聞いていいですか?」

「どの辺~?」

「斗和先生に聞きたいの」



あぁ、そう。



その変態先生なら後ろでニヤケてるよ。



「そうだね、好きに使ってあげて~。きっと丁寧に教えてくれるから」

「じゃあ先生!!ここわかんなぁい!!」



頭にきたから仕返しだよ~!!



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