年下の王様
ガチャッとドアの開く音が聞こえて、やってきた斗和。



少し疲れた顔してるのはやっぱり気を使ったりしてるからかな…。



「腹減った…」

「ご飯できてるよ!!」

「食う…」



口数が少ないのは…怒ってらっしゃる?



機嫌取りした方がいいかな…。



「と、斗和?」

「あ?」

「ごめんなさい…」



いまだにあたしは悪くないと思ってるけどさ…。



先に謝って穏便に済ませたい…。



「別に謝られても…」

「だって普通に話ししてくれないじゃん…」

「少しイラッとしたからお仕置きしてやっただけ。俺もごめん」



うわっ…。



斗和が大人ですよぉ~!!



謝りましたよ!?



明日は台風でも来る予感が…。



「なんてのはウソ。偉そうにしてる陽菜ってのはやっぱり気にいらねぇな」

「えっ…」

「お前は常に俺の下にいりゃあいいのに」

「あのっ…お腹空いたんじゃ…」

「あぁ、腹ペコだった。だから夜メシ食うんだ。コレ、俺の主食だからな」



そういって押し倒したあたしを指差した斗和は究極に楽しそう。



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